スペクトルカメラの仕組み

弊社ハイパースペクトルカメラ含む一般的なスペクトルカメラ(主にハイパースペクトルについて)の仕組みについて説明します。
ハイパースペクトルデータ(HSD)はXY平面に波長方向を加えたX-Y-λの3次元データセットである。このハイパースペクトルデータを取得する、または撮影する方法には、空間掃引方式時間掃引方式波長掃引方式に大別できます。

空間掃引方式(又は、プッシュブルーム)(弊社:ハイパースペクトルカメラ)

人工衛星や航空機リモートセンシングに搭載する場合は、ラインセンサーとして用いることが多く、実験室など地上に設置して用いる場合には移動ステージを光学装置の内部または外部に設けることになる。普段、使っているスキャナーのような方式です。

プッシュブルーム

プッシュブルーム-データ構造-

メリット :同時刻で全スペクトル情報を取得できる
デメリット:画像としては撮影開始と撮影終了で時間差が生じる

<詳細解説>
基本的にはスキャナーのようなラインセンサーの部類になります。スリットを通った細い光の帯を分光することによってスペクトルに分解します。スキャナーの場合は受光面に設けられたラインセンサー上のピクセルにRGBの3枚のフィルターで3バンドに分光しています。 一方、ハイパースペクトルのように100バンド以上に分光するためには、回折格子やプリズムなどの分散素子を通過させてスリットと垂直方向に分光します。分解する波長が多いため、受光面はラインセンサーではなく2次元のイメージセンサー(C-MOSカメラ等)に置き換えられることになります。
この方式では、撮影時には進行方向と垂直方向(X方向)の各ピクセル上で分光スペクトルが一度に取得できるため、衛星等プラットフォームの移動によって波長がずれるということはありません。 地上サンプリング間隔は、光学系の設計でほぼ決まることになります。 内部にライン分光器を構成しなければならず、その分だけサイズが大きくなります。地上で撮影する場合には光学系を平行移動し、一般的なスキャナーのような動きを行う駆動機構を実装しなければなりません。

時間掃引方式(弊社:マルチスペクトルカメラ)

時間軸方向に波長を少しずつ変化させた画像を複数毎撮影し、撮影終了後にX-Y-λのデータセットに並べ替えるというものの総称です。例えば、液晶チューナブルフィルターや2次元フーリエ分光がこの方式に類別できます。

時間掃引方式

メリット :特定波長の画像を撮ることができる
デメリット:撮影開始から撮影終了後では、スペクトル情報に時間差が生じる
<詳細解説>
多層膜構造の液晶の配列を電気的に変化させることにより、光の波の性質、山と谷が重なると打ち消されるという性質を利用して、特定の波長だけを透過させることができ、これを液晶可変波長フィルターといいます。
最初にフィルタ波長をλ1に設定してモノクロカメラで撮影し、次に電圧を変えてλ2の波長に変えて2枚目を撮影という具合に繰り返します。
液晶の波長配列が次の波長配列に変化までの時間を待たなければならないので、各画像データは進行方向に少しずつ変位することになります。従って、HSDを取得する際には変位した分だけ画像をずらして位置を合わせることになります。
一般的にはこの待ち時間は40~100m秒となる。秒速7.5kmという高速で運動する人工衛星では、この時間遅れはGSD(地上サンプリング間隔)は無視できない大きさになることもあるので注意が必要になります。(地上で使う際にはその限りではない。)

光波長掃引方式

特定の狭帯域のスペクトルを持つ照明で測定対象物を照射し、その反射光をモノクロカメラで撮影するといものです。照明に波長可変レーザーや波長の異なる複数の高輝度LEDを用いれば比較的簡単にHSDを取得することができます。数バンドであればコンパクトな装置を実現できるメリットはありますが、室内(暗室)など近距離のリモートセンシングに限定されます。

光波長掃引方式光波長掃引方式-データ形式-

メリット :特定波長の画像を撮ることができる(ただし、光源やフィルタでは、細かく波長を指定できない)
デメリット:撮影開始から撮影終了後では、スペクトル情報に時間差が生じる

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